RELETTE

2020/09/07 16:30

皆様 こんにちは 店主です。


店主が装いや洋服について思いの丈を綴る〝JOURNAL〟
今回は店主の考える装いについて少し語ってみたいと思います。


店主の嗜好が大きく反映されているRELÉTTEですが、その装いに於ける理念として

〝オーセンティックな洋服を軸に据え、その時代に適した最小限のモードを足す〟

という言葉を指針として、買い付けやコーディネートを行っています。その根本には
〝Understatement/アンダーステイトメント〟という思想があります。


Understatement/アンダーステイトメント

イギリス人が好む表現の一つで控え目で品性のある様



それは自己の品性を高める努力を怠らず〝オーセンティック〟つまりは本物であり信頼の
出来るものを選び装うのであれば、見せびらかしたり華美に装う必要などなく、
内面からにじみ出るその人のパーソナリティだけで装いが完結する。
その延長線上にエッセンスとして、自然にその時代と仲良く握手をすることで

〝ずっと変わらないけれど、あなたのフィルターを通した、時々のあなたらしい装い〟

は成立する、という店主の思いを表現した言葉でもあります。


上記とは対極に位置するであろう〝流行〟とは読んで字のごとく、流れ行くものです。
いろいろな洋服があって、たくさんの人がいます。似合う服、似合わない服があって当然。
ですが、この流れ行くものは不特定多数をそれはもう見事に飲み込み、短期間で吐き出してしまいます。

つい数か月前までは細身のパンツしか絶対に履かなかった人が、自身の好みや感覚、
似合う似合わない問わず、今はこの幅だよねとゆとりのあるパンツを選ぶ。
新たな感性へのチャレンジとは似て非なる思考停止に近しい現象が起こります。

ファッションもビジネスですから、それがあるべき姿として正しいのかもしれません。
しかしながら、流行に追随した洋服ばかりが並ぶ売り場編集自体が選択肢の限定を引き起こす大きな要因であることから、私を含め
エンドユーザーの思考停止は続くのでしょう、画一的な装いが街を埋め尽くします。


・・・・・
話が少しそれてしまいましたが、流行の波を眺めながら適度に楽しみ、長く愛用できる洋服を
体格に恵まれない方と一緒に楽しめる様、店主はこのRELÉTTEを始めました。

ただし〝言うは易く行うは難し〟とはこのことで、洋服と真摯に向き合わないと
アンダーステイトメントは体現出来ません。
自分の好み、似合う洋服を理解し内面を成熟させることは非常に困難なのです。

特に体格に恵まれない華奢で小さな人は似合う洋服が限られることで、より苦労をする機会が
多くなります。そんな方と少しでも装う楽しさを共有出来たなら。


長く長く愛用した洋服をクローゼットから手に取り、共に歩んだ思い出を想起できたら、
それは本当に尊く素晴らしいことですよね。

店主も服飾業界を後にしたタイミングで莫大な洋服を整理しましたが、手放さなかった
ものはこれからも変わらず自身の着こなしの軸になるであろう〝オーセンティック〟なもの、
また自身の嗜好や内面を反映した、変わらない〝お気に入り〟のものばかりでした。
*店主が18年愛用しているMACKINTOSHのバルマカーンコート。
流行とは異なるその様は、実は普遍であるともいえます。


RELÉTTEがご提案している洋服が、皆様のもとで長くそういった存在になれる様、変わらず
思いを込めてご案内していきたいと思います。



店主